目次
はじめに
「Out of sight, out of mind.(見えなくなるものは忘れられる)」
英語にこんな慣用句があります。これはピアノにも言えることで、
「ピアノを練習しなくなると、どんどんと触る機会が減ってしまいには弾かなくなる」
意外と、いろんな人に当てはまるのではないでしょうか?
もしかしたら、今まさにあなたのピアノがホコリをかぶって、家中で幅だけを取る存在になっているかもしれません。
かくいう私も過去そういうことが何度もあった一人です。
何ヶ月も離れてしまってはせっかくたくさん練習してうまく弾けていた曲が弾けなくなったり、たくさん指を動かしても疲れなかったのにすぐに疲れてつっかえてしまったりします。
そうして、弾かなくなって、忘れ去られてしまう、、、
今回は、そんなことがあなたの身に起こることを阻止すべく、モチベーションが上がらない時にどうしたらいいか、一緒に考えていきましょう!
「練習」と「やる気」の関係
練習のモチベーションを上げることを考える前に、一般的によく勘違いされていることについて、誤解を解いていかなければいけないと思います。
やる気があるから練習する、、、?
その誤解とは「やる気があるから練習する」ということ。
確かに、やる気が出ると、練習したくなりますが、
では、その「やる気」はどこから出てくるのでしょうか。それは「練習した時の快感や興奮をまた感じたいと思うから」でてくるものなのです。
ですから、モチベーションが下がっている段階で、練習時の快感や興奮をどうやって出そうと思っても絶対に出てきません。
「やる気があるから練習する」理論を一度頭から切り離す必要があります。
やる気を出そうと思うことをまずやめます。
練習するからやる気が出る!!
原因と結果を逆にして考えると良いでしょう。
それは
「練習するからやる気が出る」
という考え方です。
普段の生活でもよくある現象です。例えば、
- 部屋の掃除を面倒だと思いながらなかなか手をつけていなかったけれど、一度掃除を始めるとどんどんいろんなところを掃除したくなり、後は気の向くままに進めることができた。
- 仕事に行くのがとても面倒くさいと思ったけれど、一度仕事を始めると、集中して有意義な1日となった。
こんな経験ないでしょうか?
ピアノも同じです。
- 最初は全然気が進まなかったピアノの練習を、ちょっとだけやってみた結果、しばらく弾き続けることができた。
要するに、「とりあえずピアノを弾いてみる」ことが大切ですね。
とりあえずピアノを弾くためには
ただ、モチベーションが下がってる段階で、どうやってピアノに向かうかが問題ですね。
このハードルを越えるためには、どうすれば良いでしょうか。
鍵盤を自分の目に晒す
視覚から入ってくる情報は多いもので、目に触れる頻度が高いほど、そのものに対して興味が湧くものです。
ですから、弾くか弾かないかは別として、鍵盤を自分の目につくところまで持ってきましょう。
ピアノであれば、とりあえずカバーをとって鍵盤が見える状態にしておいてください。電子ピアノであれば、まず電源を入れて、すぐにでも弾ける状態にまで立ち上げておくことがオススメです。
毎日弾くことを目標にせず、「毎日鍵盤を目に晒すこと」から目標に行動をしてみましょう。
これならできそうでしょ!
なんかのタイミングで「ちょっと触ってみようかしら」という気になるとしめたものです。
やることのハードルを思いっきり下げる
練習のメニューについて、頭の中で勝手にハードルが上がっていませんか?
「まず指の練習曲を弾いてから、課題曲の右手を練習して、それから新しい部分の譜読みをして、、、」
なんて考えたら、なんだか憂鬱になってきますよね。
最初から、ハードルの高いメニューを想像して自分を縛ってしまっていると行動できなくなってしまいます。
また、練習時間を決めてしまうのもモチベーションを下げる原因です。
ですから、
「5分でいいから音遊びをしてみよう」
最初はこんな感じが正解です。
ハードルを海抜並みに低くして、まずはピアノの前に座って1音出すところまでを行動してみましょう。
とりあえず弾けたら習慣化
とりあえずピアノを弾くことができたら、その当日は充実していたかもしれませんが、それを継続させて行くことも考えないといけないですよね。
ピアノを弾くハードルが下がったら、次は以下のようなことを工夫してみてはいかがでしょうか。
ピアノを弾く前のルーティンを決めとく
ちょっとずつピアノに触れられるようになってきたら、習慣化していく方法もちょっとずつ考えましょう。
ピアノを毎日弾きたいなと思うためにはルーティンを決めておくのもいいかもしれません。
パブロフの犬のように「〇〇をやったらピアノを弾く」という感じで、脳をいい意味で麻痺させていきます。
- 歯を磨く
- 風呂に入る
- 顔を洗う
- ガムを噛む
、、、なんでもいいです。
普段の生活で無理なく毎日できていることをした後に毎回ピアノを弾くと良いです。
できれば気持ちがスカッとする行動と組み合わせるといいと思います。
最初のメニューを1つ決めとく
次に、ピアノを弾く最初のメニューを決めておきます。できればロボットのように弾けるくらい慣れている曲がいいと思います。
弾ききれる簡単な曲や、簡単な指の練習曲でも良いですし、スケールの練習をしてもいいでしょう。
自分の弾ける短い曲を、数曲とりあえず弾くでもいいです。
自分の中のルールなんで、なんでもいいんですよー。
私の場合は、なぜか最近は、aikoのカブトムシを1曲弾くことから練習が始まります。以前はオルタードスケールをすべてのキーでひたすら弾き続けるところから始めていました。
「これ、得意だし、弾いてて楽しいなあ」という自分だけの初動メニューを決めておくと、鍵盤に触るハードルも下がり、習慣化しやすくなります。
最後に
今回は、ピアノを弾くモチベーションが下がってしまった時の対処法と、習慣化するためのヒントを考えていきました。
少しの工夫で、無理なく練習することができそうですよね。
掃除と同じで、一度始めてしまうとどんどん進めることができるので、「とにかく動いちゃう」ことが大切です。
そして、ピアノに触れた時のウキウキする自分の気持ちも、そっと心にしまっておくと良いでしょう。万が一、またピアノから離れてしまった時の「やる気」を出すための材料にになるかもしれませんよ。