インターネット上でオンラインピアノレッスンを受けるためには

今日は、インターネット上でオンラインピアノレッスンを受けるために必要なものや環境、メリット・デメリット等について話していきたいと思います。

目次

オンラインでのレッスンの種類は、大きく分けて2つあります。

◆リアルタイムレッスン◆

◆オンデマンドレッスン◆

一つずつ、見ていきましょう。

◆リアルタイムレッスン◆

→先生と画面越しに、その場でやり取りするレッスン。

オンラインレッスンというとこの形式がほとんどです。その場でリアルタイムにオンライン上で対面レッスンします。

こんな方にオススメです

  • 仕事、学校、育児などでレッスンに通う時間が取れない方
  • 近くに通うことができるピアノ教室がない方
  • 送り迎えしなければ教室に通えないお子さんをお持ちの方
  • パソコンやスマホ、タブレット等の扱いに慣れている方
  • テレワークやオンライン飲み会等でWeb通話アプリを既に使われている方
  • 教室通いはハードルが高いと感じる未経験者の方

こういった方は、オンラインでのリアルタイムレッスンがオススメです。どなたでもオンラインレッスンを始めていただけると思います。

必要なもの

ピアノ、キーボード

グランドピアノやアップライトピアノのようなアコースティックタイプをお持ちでない方は、電子ピアノやキーボードでもレッスンは可能です。

もし心配な方は、レッスンを受講する前に気になるレッスンの教室の先生にどういった楽器が最適かメールなどで問い合わせてみてください。

スマートフォンかタブレットかパソコン

先生からの見え方は変わりませんので、使いやすいもので大丈夫です。画面は大きい方が見やすいですね。

設置方法について。

  • 顔を写せる位置(会話するとき)
  • 鍵盤を写せる位置(演奏をするとき)

を事前に決めておくとスムーズにできると思います。この時にできればあった方が良いのが「三脚」です。

場所を決めるときは「家の中のここはあまり映したくない、、、」なんていう事情がある場合もあると思うので、事前にチェックしてプライバシーに注意することも大切です。

できれば三脚(譜面台)があったほうが良い

スマホ、タブレット、パソコンを置く台があると良いです。三脚や譜面台が便利です。自撮り棒をガムテープで何かに固定させて、、、なんて方もいるみたいですよ。

自分の後ろ側から椅子や台に置いて、自分の弾き姿が先生側に見られる位置と、ピアノの譜面台の上など、先生の演奏を見るときや会話をする時の位置を決めてセッティングしておきましょう。

イヤホンもしくはヘッドフォン(無くても受講可)

イヤホンもしくはヘッドフォンがあればさらに良いと思います。内臓のスピーカーで聞くと、場合によっては先生の話している言葉や演奏が「もさっ」と聞こえる場合があります。オンライン通信の環境やソフトの環境によるのでなんとも言えませんが、聞こえ方はクリアになるはずです。

特に、複数台のデバイスを繋ぐときスピーカーの音が大きいと自らのマイクで音を拾ってしまいハウリングを起こしてしまうことも防ぐことができると思います。ただし、必須ではありません。大抵は先生が対策をしていると思いますのでご安心いただければと思います。

AirPods のようなワイヤレスタイプだと腕に絡まらず快適かもしれませんね。

ウェブマイク(端末に内蔵されていれば不要)

大抵、お使いになられる機器にはマイク機能を兼ね備えているものがほとんどだと思いますがもし機能がないパソコンなどを使用する場合は、外付けのウェブマイクが必要です。

スマホに接続する外付けマイクがあれば、より近くで綺麗に音を先生側に送ることができると思います。先生側の聞こえ方がどうか聞いて見て、考えてみるのもいいのかもしれませんね。

アプリ

安定した通信環境

まず、Wi-Fiなどのオンライン通信環境は必須です。

オンラインの環境は、それぞれのWi-Fi速度や使用端末などによって、家庭ごとに差が出るのが現状です。どうしても通話にタイムラグが発生したり、音声や映像がストップしたり乱れたり、ということも起こります。できればスマホよりもタブレットなど大きなディスプレイを用意したり、十分なWi-Fiの速度を確保するなど、ストレス軽減の工夫をできるとよいですね。

タイムラグはやはり少し感じるものと考えた方が良いでしょう。無線の環境より有線の光など高速回線の方がディレイ(遅延)が少ないと思います。

例えば、演奏の拍が早くなった時など、対面のレッスンなら一緒に拍を数えて直すことができますがオンラインレッスンでは一緒に拍を数えてもタイムラグが生じてズレてしまいます。

先生のお手本演奏の途中で止めて欲しいところで声をかけてもタイミングがズレてしまいますので、細かいフレーズに分けて指導してもらうなど、先生に工夫してもらえるよう要望しても良いかもしれません。

Web通話アプリ

おなじみのアプリから最近注目されているアプリまで、オンラインレッスンで利用できるアプリをご紹介します。先生が推奨するアプリが基本となりますが、もし使いづらいと感じるときは相談の上、色々試して見てご自分にあったアプリをぜひ見つけてみましょう。

LINE(ライン)

通常のやり取りはLINEで行っている人がほとんどではないでしょうか。LINEでも、ビデオ通話機能を使って、オンライン・レッスンを行うことができます。LINEのビデオ通話機能を使って問題なくレッスンできます。ZOOMやSkypeと違って、ログインする必要がないので、どうしても「複雑なアプリが苦手…」という方におすすめです。LINEアプリが入っていると、レッスンや連絡のやり取りにも便利ですね。

ZOOM(ズーム)

ZOOMとは、ビデオ・WEB会議用アプリケーションです。最近では、ZOOMを使ったテレワークや飲み会など、様々な用途で活用されています。レッスンを受講する生徒側はIDの発行が必要ないのでプライバシーを不必要に晒すこともないということで便利です。チャット機能もあるので、うまく使って行きましょう。理由があってLINEを入れたくない方は、ZOOMでのレッスンとメールでのやり取りを検討すると良いと思います。

ZOOMは使うデータ通信量が、後ほど紹介するSkypeよりも少ないため、インターネットがあまりよくない環境でも通信が比較的安定するようです。また、先生がZOOMでミーティングを作成しURLを生徒に送信すれば、生徒はそこからアプリをインストールするだけなので、気軽に始めやすいかと思います。

ZOOMは元々ミーティング向けに作られているので、電話をする形ではなく、ミーティングルームに入るという形です。ミーティングルームは自主的にクリックして入室するという形なので、レッスン時間に事前に教えてもらっているURLをクリックして入室するだけです。また、端末の画面共有で先生とデータをやり取りできます。ただ、少し圧縮されて音が変化したり飛んだりすることがあります。

ZOOMは、簡単な操作でレッスンの録画や録音ができます。レッスンの復習などに活用して見てはいかがでしょう。録画ができるのは基本的に主催者のみですので、生徒さんは先生に許可を得て録画できるように設定してもらいましょう。

Skype(スカイプ)

Skypeは、世界中で長年使われいる無料の音声通話、ビデオ通話のアプリで認知度は抜群です。Skypeはお互いにインストール後ユーザー登録をする形のため、少しだけ手間がかかります。レッスンを始める際は、ユーザー名などからお互いを友人に追加し、承認されたらレッスンを開始する形となります。

チャット機能を使えば、オフラインでも楽譜などのファイル送受信ができるので便利です。ただし、Skypeは使うデータ通信量が大きいため、ある程度の回線速度を確保しておかないと通信が不安定になりがちなので注意が必要です。メリットとしては、データ通信量が大きいだけあり、音飛びなどが少ない印象です。(相手の先生の環境にもよるかもしれません)

SYNCROOM(シンクルーム)

SYNCROOM(シンクルーム)とはヤマハが提供している、リアルタイムでセッションできる無料アプリです。これをレッスンに使う先生も増えているということです。メリットとしては普通のアプリだとディレイ(遅延)が発生してやり取りが困難な場合がありますが、オンラインセッションに特化して開発されたこのアプリは、レイテンシ(ディレイ)が少ない設計のようです。さすがヤマハさんの開発だけあって使い心地もいいと評判のようですのでこれからじわじわと浸透してくるのではないでしょうか。ちなみにもともと、「NETDUETTO(ネットデュエット)」という名前で愛されてきたツールでしたが2020/6/29から「SYNCROOM(シンクルーム)」という名前に変わりました。

Facetime(フェイスタイム)

iPhone・iPad・MacBookをお持ちの方とは、FaceTime(アップル製品のみ対応)を使ってレッスンする先生もいます。(FaceTimeが、音質の点で一番良いとの評判です。)プラスな点としては、手軽なこと。普段使っているアプリを使うという面で、インストールの手間が省けます。マイナス点は、音質です。少し音質が気になります。そのため、Whatsappでのピアノレッスンはあまりピアノレッスンに向いていないかなという印象です。Facetimeに関しては、チャット機能がないのが不便なのと、対象がアップル製品のみに限られます。

Whatsapp(ワッツアップ)

Whatsappは、ヨーロッパでよく使われているLINEのようなアプリのことです。これも、少し音質が気になります。そのため、Whatsappでのピアノレッスンはあまりピアノレッスンに向いていないかなという印象ですがもし先生が推奨されていた場合は、レッスンを受けてみて音質に難がある場合は他のアプリをご相談して見ましょう。

実際のレッスンの進め方

  • まず日時とWeb通信アプリを先生と決めます
  • 先生から必要な楽譜のデータ、写真を送ってもらう
  • もしくは自分の弾きたい楽譜のデータ、写真を送る
  • 時間になったら、Web通信アプリに接続する
  • レッスンをする
  • レッスン終了後、必要に応じて先生から楽譜の書き込みなどのデータをもらう

◆オンデマンドレッスン◆

→リアルタイムではないレッスン。動画や録音データでやり取りします。

リアルタイムでアプリで繋ぐのではなく、動画に対して後からレッスン動画(アドバイス動画)を送ってもらう方法です。この場合、Web通話アプリでつなぐ必要がありません。

実際のレッスンの進め方

方法は以下のという要領で行います。

  • まず、スマートフォン等で動画を撮影します。
  • 動画をアップロードしたりメールやアプリで送ります。
  • 先生はその動画や録音を再生してもらい、アドバイス動画やお手本動画を送り返してもらう。

やり方は以下のような形が必要ですが様々です。

  • 生徒側は、演奏動画は公式LINEで送る。
  • チャットで色々アドバイスなどを文章でもらう。
  • 先生のアドバイス動画やお手本動画は動画共有サイト(vimeoなど)でもらう。

<参考:vimeo(ビメオ)>

オンラインで繋ぐより効率の面で言うと、好きな時間に撮影しアドバイスを再生することができる良い点もありますが、撮影の手間がかかったり、コミュニケーションがないぶん少し無機質に感じてしまうと言う声もあるようです。リアルタイムレッスンのサポートとしてオンデマンドの利用をお願いして見るのも良いかもしれませんね。

メリット

慣れた家の環境でリラックスして受けることができる

何と言っても自宅でピアノを受けられる安心感があります。

移動時間や場所の制限が減るためスケジュールが合わせられやすい

移動時間や場所の制限が減る(節約できる)のも忙しい現代の需要にあった一つのレッスン形態であると思います。スケジュールさえ合えば朝早くから夜遅くまで受講可能の先生や、短時間のレッスンを週に複数回受講できる先生など受講のバリエーションが増えたと思います。お子さんのレッスンであれば送り迎えが不要ですし、先生とのレッスン風景を家事をしながら見守ることができます。

録画すれば何回も復習することができる

対面レッスンで「録画して復習する」という考え方はこれまでなかったと思います。オンライン環境ならこれが簡単にできます。

自分が納得できる演奏動画を送りたいと思い必然的に練習量が増える

オンデマンドで動画や録音のデータを活用する場合は、良いテイクを送りたい心理から練習量が増えるというメリットも。

先生からのフィードバック動画を何度も確認することができる

これもオンデマンドを活用する場合ですが、の良さの一つだと思います。

対面よりも手元が見えやすい

真上から動画を共有してくれるレッスンでは、先生の演奏を疑似体験できます。オンラインならではですね。ピアノが自分と先生のところに一台ずつ置いてあるというスタイルになるため、先生の演奏の際に立ったり座ったりがなく、ピアノが一台の教室でレッスンをするよりも時間が短縮できます。

自分の慣れたピアノでレッスンが受けられる

楽器が変わるとどうしても演奏が上手くいかない方にとっては、安心してレッスンが受けられるメリットも。

デメリット

指摘を受けたところを一緒に確認して改善していくのが難しい

同じ鍵盤を触りながら、演奏中に同時に演奏にコメントを入れてもらいながら手や体のフォームを「あーでもないこーでもない」と試行錯誤していくスタイルができなくなります。特にお子さんのレッスンでは手や身体に直接触れて指導してもらえないので、感覚が掴みにくい場合もあります。

カメラアングルをその都度変える必要がある

先生が演奏中に真上からのアングルを望む場合は、会話するポジションから臨機応変にカメラの距離やアングルなどを変える必要が出てきます。毎回カメラ位置を変えなくてはいけないので、大変な場合もあるでしょう。

先生の指の使い方や響きなどを感じ取ることが難しい

その場で聞いていないので、微妙なタッチやニュアンスが分かりづらいという欠点がどうしてもあります。指の使い方や重さの加減、腕の動作、息遣いや雰囲気、響き、音色やアーティキュレーション、音の抜け方などを感じることが難しくなります。そのため、テクニックというよりは表現を習いたい方には不向きかもしれません。

コニュニケーションが取りづらい

リアルで対面をしている時より相手の表情や声音がわかりづらく会話がしづらいと感じることもあります。特に通信環境が悪いと、タイムラグが生じることでコミュニケーションに気を使わなければいけなくなりそうです。自分の声や演奏が先生に伝わるのが遅くなったり、ちゃんと会話ができているのか不安になる時があります。音飛びや通信切断などが発生してストレスになることも。意思の疎通をとるのにお互いに少し努力が必要なようです。

録音や録画を何度も撮り直すことによって、毎回心身ともに労力が必要

オンデマンドでやり取りするときは、毎回演奏以外に撮影の環境を整えなければならないですし、何度も撮り直しすることになると疲れる場合も。

先生と会うことで保てていたモチベーションが下がる場合も

おしゃべりなどで先生とのコミュニケーションを楽しみにしてピアノに励んでいた方にとっては、無機質に感じてしまいモチベーションが低下することもあります。

料金や支払方法

1時間1000円や30分2500円など教室によってバラバラですが、対面のレッスンよりかはリーズナブル(安い)なところも多い印象があります。

先生にとってはその土地だけではなく全国の生徒さんに教える機会があるのでそのぶん価格を抑えてくれているところが多いと思います。生徒としての立場でも、場所にとらわれず好きな先生を見つけることができるのはいいですしお安くレッスンを受けられるのは嬉しいですね。オンライン化に伴い、レッスン料の受け渡し方法も多様化してきましたね。

  • 銀行振込
  • オンライン決済サービス(PayPalなど)
  • ネットショップ決済(BASEなど)

もちろん、ご近所のお教室ならば、下記のような方法もあります。

  • 手渡し
  • 郵便ポストにポストイン
  • 次回会ったときにまとめて(臨時のオンラインレッスンなど)

支払方法は教室によって様々ですので、事前に先生に確認しておくとスムーズにやり取りができるでしょう。

準備

これは余談ですが、準備が整っていると、レッスンまでスムーズにいくと思います。

  • 楽譜などをやり取りできるメールアドレスを事前に用意しておく
  • 複数のアプリをインストールしておき、操作方法を知っておく
  • スマホよりかはパソコンやタブレットの方が安定しやすい
  • できれば三脚や譜面台を用意しておく
  • 会話&演奏用のカメラアングルを事前に決めておく
  • 端末の縦横の画面ロックの外し方を知っておく(レッスンは横の場合が多い)
  • お互いの声が重なると会話しづらくなるので話を双方向でできるように(心構えですね)
  • 視覚的にもわかりやすいに、大きく相槌を打ったり、表情で反応できるよう(これも心構え)

最後に

オンラインでレッスンができる教室が増えたことで、海外の先生とのレッスンができたり、家で飼っている猫とともにリラックスしてレッスンできたり、これまでにはなかった新しいコミュニケーションも生まれているそうです。思っていたよりも楽しくレッスンできたという声もたくさんあるようです。

最初は、先生も試行錯誤している場合がありますので、音声が途切れたりしまったり、コールしなおすなんてハプニングもあるかもしれませんが、そういったオンラインならではのやり取りも、先生とともに新しい最先端のことをやってるんだと思えば、逆にちょっと楽しむことができるかもしれません。この機会にオンラインレッスンに挑戦してみるなんてのもいいかもしれませんね。

オリジナルアレンジ動画