目次
はじめに
ピアノを弾き始めたけれども、いまいち指の動きが鈍いな、と感じる方は、もしかしたら「マムシ指」になっている可能性があります。
このマムシ指について今回は考えていきたいと思います。
マムシ指とは
「マムシ指(まむし指)」という言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。一体どういうことなのでしょうか?
2パターンのマムシ
まず知っておきたいのは、全く異なる2つのパターンがあるということです。
①:短指症の一種で、親指の先が短いもの。横長の爪の形が特徴。
②:ピアノを弾く際に、本来はアーチ状になるべき指の関節が逆方向に凹むこと。
①は、先天的な身体の特徴のことで、芸能人にも結構いるそうです。
しかし、今回取り上げたいのは①ではなく②の方です。
②はピアノ初心者さんには、結構多く見受けられるものだそうです。
特に関節が柔らかい子供だと、親指から小指まで全部というケースもあります。
ちなみに、なぜこんな名前がついているかというと、マムシが鎌首をもたげるような形に似ているからだそうです。
マムシ指の弊害
「指の曲がる方向が逆向きなのだけで、別に問題ないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、これが結構厄介です。
マムシ指で起こる弊害は以下のようなことです。
- 力加減ができない
- 指の動きが鈍くなる
- 和音を弾くのが大変
- 腱を痛める原因となる
- 指が疲れやすい
良いことがあまりないので、早めに解消することを強くオススメします。
マムシの退治方法
「マムシ指」は関節が柔らかいことで起こるのですが、指の使い方の癖、習慣のようなものなので、時間をかけてある程度改善することが可能です。
いろんな指のいろんな関節で起こるマムシ指。
基本的には指の使い方の癖なので、アーチ状に腱が曲がるように意識して力が入るように筋肉を動かすことが重要です。
ここでは場所別にマムシの退治方法(マムシ指の改善方法)を考えていきましょう。
親指マムシ
大人のピアノ初心者さんでは、親指に起こるマムシ指が最も多いと言えるかもしれません。
特に、第2関節が逆に凹んでしまう場合が多く、オクターブや強く弾く時に力が入らず演奏しづらくなってしまいます。
まずは、鍵盤を弾く以前に机などに親指を押さえつけて、アーチ状に意識してできるかどうか試してみましょう。
できたら、その状態を保ちながら、鍵盤を弾いてみます。
もしダメだったら、強制ギブスを化繊ゴムなど伸びる材質で手作りしてみます。
肩がけでちょうど伸びる位置で輪っかを作り、親指の根元に引っ掛けて、親指を人差し指にくっつかないようにさせながら、関節ではなく、親指の付け根のところから引っ張り出します。
これをつけながら、ピアノを弾いてみましょう!
(あまり長い時間使いすぎないように気をつけましょう)
親指以外のマムシ
親指以外の指の関節でマムシ指になってしまう時はどうすれば良いでしょうか。
第1関節や第3関節でなってしまうことが多いですが、第2関節でも起こり得るようです。
第1関節もしくは、第2関節の場合は、「フィンガーウェイツ」を使ってマムシ退治をしてみましょう。
「フィンガーウェイツ」は指につける「重り」で、ネットでも売られています。本来は指を重くして指の筋トレ目的で使うのですが、ウェイトを取り外しすることができるので、指が逆に曲がらないようにする強制ギブスとして使えます。
(これもあまり長い時間使いすぎないように気をつけましょう)
第3関節でなってしまう場合は、「小さなボールを手に握らせて弾く」方法を試してみます。
ちょうど手の形が丸くなるくらいの大きさがちょうどいいです。硬めのゴムボールとか丸い積み木とかで大丈夫です。
最後に
意外と気がつかないでずっとマムシ指で弾いている場合もあります。
この機会に自分の指にマムシが潜んでいないか、確かめてみてくださいね!