目次
はじめに
ピアノを始めて最初はいい感じで進んでいたピアノ演奏ですが、次第に上達が頭打ちになってきたなあと感じることはありませんでしょうか。
これは大人に限らずお子様にも起こる現象です。「なんか調子悪いな」というスランプ状態が続くと、ピアノが嫌になってしまうので早めに解放してあげなくてはいけませんね。
今回は、このスランプ状態をどう切り抜けていくかを原因別に考えていきたいなと思います。
スランプの原因と解決法
さて、それでは原因を分けて、解決方法を考えていきたいと思います。
本人の適性
ピアノの上達は人によって変わります。ピアノを弾くのに適性があってない時には、調子が悪いと感じる場合があるでしょう。
「指が短い」「手が小さい」
手が小さかったり、指が短いと、普通の手の大きさの人に比べて楽譜通りにピアノを弾く上では不利ですね。
私も、人差し指が少し短いため、弾きづらい曲に出くわすこともあり、最初は苦労しました。
手が小さいピアニストは手首を柔軟に使ったり、少しアレンジを加えたりして、無理なく弾ける奏法を研究しています。まずは、指番号を見直してみたり、ゆっくりと弾いてみたりして、本当に弾けないのか、弾きづらいけど頑張れば弾けるのかを研究してみてはいかがでしょうか。
「練習の要領が悪い」「記憶力がない」
練習をしていても、効率よく時間を使って上達する人もいれば、なかなか覚えられない人もいます。また、記憶力には人それぞれ個人差がありますので、頭に入ってこない時は苦労するのではないでしょうか。
記憶の定着には、何度も同じことを反復することが大切です。しかし、なかなかおぼえられない人は、大抵漫然と通し練習をしていることが多いです。
つっかえてしまうところだけを集中的に練習してみると、練習の効率は上がりますし、記憶の定着が早まります。そして、何度も練習した当日はまだ効果が出ないことが多いことを覚えておきましょう。長期記憶の定着は遅れてくるものです。ですので、1週間くらいのスパンで何度も同じところを練習してみることをお勧めします。だんだんと指に馴染んでいく感覚がお分かりになられると思います。
「リズム感がない」「音感がない」
リズム感や音感にも個人差があります。
リズム感は、音の長さを感覚的に捉えて再現できる力が必要です。また、音感は、音の高低を最低でも感覚で捉えられるようになりたいところです。でないと、自分の演奏が間違えたかどうかもわからない状態になってしまうことが多いです。
リズム感や音感は鍛えることができます。リズムトレーニングや音感トレーニングを練習に取り入れることで改善するでしょう。また、自分が思っているよりも簡単な子供用教材で、短い練習曲を大量に弾いてみることをお勧めします。最初は片手ずつだけでも大丈夫です。こうすることで、大量の基礎的なリズムや音程を耳が覚えてくれるので、効果が期待できます。難しい曲も単純なリズムや音程の組み合わせでできているので、こういった曲に挑戦した時に無意識に応用できる力がついてくるのです。
「指がうごかない」
指のコントロールが下手でなかなか思ったように動かない場合もあるでしょう。運動神経と同じくこれにも個人差があります。
これも反復練習によって改善できる場合が大半です。ですので、最初はゆっくりしたテンポで、片手ずつ指の動きを筋肉レベルで感じながら何度も反復練習をしましょう。そして、1日で終わらせようとせず、数日間全く同じところを何度も何度も弾くことが大切です。1日では指の筋肉が発達して神経も鍛えられませんが、長きにわたって使っていくことで、こういったコントロールに必要な機能が発達してきます。ここは我慢どころだと思います。
本人のやる気
本人の気持ちの問題がかなりあります。気持ちはなどれない部分が沢山ありますね。
「練習が嫌い」
ピアノを弾くのは好きなんだけど、練習がとにかく好きではない!という場合があります。なんとなく弾けるフレーズを弾いては満足してしまうパターンが多いので、なんか弾けてるきがしないという気持ちになるようです。
練習の成果が演奏に出ることを経験していない時に、このような感情が起こるようです。練習が演奏に影響を与え、その演奏が人に影響を与えられれば一番実感をするでしょうか。練習したことによる満足感を自分で考えられると良いですね。例えば、練習をした後にご褒美を自分にあげるというのは、短絡的ではありますが、意外と効果があります。「ご褒美シール」でも「ご褒美の1杯」でも構いません。自分の心が踊る何かを練習のルールに入れるのもいいかもしれません。
「ピアノが嫌い」
ピアノが嫌いなのに、ピアノを習うということも変な話ですが、お子様で無理やり習いに行かされている感覚になったり、発表会で大きなミスをしてトラウマになってしまったりすると、ピアノ自体が嫌いになることも多いです。
興味が向くまで一度離れてみるのも手かなと思います。ピアノ以外の楽器を触ってみるのも意外と効果があります。またピアノ音が欲しくなって戻ってくることも多いんですよ。
「他にやりたいことが多い」
他にも沢山やることがある中で、ピアノを弾いていると、どうしてもピアノに対する真剣度は低くなってしまいます。子供であったら学校の行事やゲーム、友達と遊んだり他の習い事など、とにかく他に時間を使うことは沢山あります。
こういった場合も、練習嫌いの時と同じく、自分のためのご褒美を何か用意してあげるといいですね。例えば、何日練習をしたら、ご褒美のおもちゃを買ってあげる、などでもやる気が上がってくるでしょう。
本人の性格
性格的な部分も、意外と関係してきます。
「落ち着きがない」
とにかく、コツコツ自分と向き合いながら練習をしていくのが「ピアノ」ですので、すぐに何か成果を求めてしまう性格には向いていない趣味と言えるかもしれません。
落ち着きがないお子様など、かなり苦労すると思います。何か会話しながらできることでもないので、何か修行のような感覚を覚えてしまうのではないでしょうか。これが黙々練習できる性格ではないときついかもしれません。筋トレをしているような感覚でしょうかね。こういった場合もご褒美など、少し弾けるようになってきた満足感を自分に感じる工夫をする必要があります!
「難しく考えすぎ」
練習を黙々できないタイプには、色々と考えてしまって集中できない性格の人も多くいます。「この練習が一体なんの意味があるのだろう」とか「もう少し効率の良い練習法があるだろう」などと考え始めるタイプです。
私もこのように考えがちなので、気持ちがわからないわけでもないのですが、「つべこべ言わずに練習する」ことで結果的に最速で曲を弾けるようになることを、経験したことがあるので、考えないで練習するようになりました。そして自分のコーチになったような感覚で、練習メニューを少し工夫して改善してみたりするように心がけましたね。あまり難しく考えず「やると決めたらやる」って言い聞かせて、練習時はゾーンに入る感覚になれれば色々考えずに済むと思います。
最後に
今回は、スランプ状態になってしまう原因とその解決法についてたくさんの例を挙げて考えていきました。
独学で練習するときは関係ありませんが、習いに行っている場合は、先生の指導方針や性格の相性も重要になってくるので、最後に少し付け加えておきます。
ピアノの先生は、生徒に寄り添った指導者として立派な方もいる一方で、ピアノ一本で生きてきた人には癖が強い人も多いので、この辺りを生徒としてしっかり見極めていくことが、楽しくピアノを続けるために大切なことともいえるでしょう。
あんまり上達しないと感じたら、先生に思いを打ち明けて解決策を提示してもらうことも大切です。もし、「なんか違うな」と感じたら、お教室自体を見直してみましょう。
さて、長くなってしまいましたが、スランプを感じたら原因と対策を考えて、早く楽しくピアノに向き合えるように工夫していきましょうね!