目次
はじめに
ピアノを弾きすぎて手首に痛みを覚えたことはありませんか?
一見、ピアノは指で弾いているようですが、激しく指を動かす動作は、手首にも相当の負担がかかっています。手首に負荷がかかり続けると、炎症を起こします。この炎症を「腱鞘炎」と言います。
腱鞘炎とは、筋肉と骨をつなぐ腱の周囲を覆う「腱鞘」が炎症を起こしたり損傷したりすることで発症します。腱鞘炎になると、痛みを感じたり腫れて動かしにくくなったりします。
今回は、ピアノを演奏しても手首が痛くならないための予防方法と、痛くなってしまった時の対処方法をそれぞれ考えていきましょう。
予防方法
それでは早速、予防方法を挙げていきます。
休憩をはさみながら練習する
スポーツと同じで、練習のしすぎは禁物です。
私もかつて1ヶ月何時間もの激しい練習メニューを毎日連続して繰り返したことがありますが、手首を激しく痛めて1週間以上弾くことができなくなりました。筋肉周りに負担がかかり続けることによって、炎症を起こす原因となってしまいます。練習の時間は弾いている曲の内容によっても様々ですが、練習時間をなるべく短く設定して、休憩をはさむようにしましょう。
普段から指のストレッチをしておく
予防としては普段から手指を広げるくせをつけておきます。お風呂やテレビを見ている最中などに手指をぐっと広げたり閉じたりするストレッチをしていると、徐々に親指から小指までの可動域が広がっていきます。練習前にグーパーを数回するだけでも効果があります。ゆっくり気持ちが良い程度でストレッチして見てください。
手のフォームの脱力を意識する
ピアノを弾く時の手のフォームを色々研究してみることもポイントです。力を入れずに音が出せる形が見つかるはずです。最初は意識して手首や手指の力を抜く癖をつけましょう。
一般的に、手のひらを少し丸くしてボールを包み込むようなフォームが良いと言われています。指を高く上げ下げするのではなく、手の甲を高くして、なるべく自分の手の重みや手首のひねりなどを利用して柔らかく鍵盤を押すと良いです。
対処方法
万が一、手首に痛みを感じたら、練習をやめましょう。そして治療に専念してください。慢性的な腱鞘炎になってしまうと、最悪ピアノを触ることすらできなくなってしまいます。
指や手首をすぐ冷やす
痛みを感じたらすぐ冷やします。
腱鞘炎の初期症状であれば患部を氷で冷やすことが効果的です。 凍傷を防ぐために、タオルなどに包んで患部に当てます。
※慢性的な腱鞘炎の場合は、患部を温めるという方法もあります。 温めることで血行が良くなり、痛みを発症させない効果があるとされます。しかし、炎症が起きている間は、温めてはいけません。炎症が悪化するからです。炎症の見極めが難しい場合は病院や整体にかかってください。
ピアノの弾き方を見直してみる
弾くのが難しい曲を練習すると、どうしても今まで使ったことのない無理な指遣いになりがちです。どうやったら自然に音を出せるのか、ゆっくり片手ずつ弾いて、1音1音最適な弾き方や手のフォームを研究しましょう。ゆっくり弾けるようになったら、だんだん早くします。しかし、弾きすぎは禁物なので、長い時間をかけて習得することを心に決めて取り組む方が後々いいと思います。
自分に合ったタッチのピアノを追求する
ピアノによって弾き心地がまったく違うことをご存知でしょうか。同じピアノでも、グランドピアノとアップライトピアノでは、重さや弾き心地は全然違います。基本的にはグランドピアノの方が軽いタッチで弾ける印象ですが、グランドピアノでも、かつてベーゼンドルファーのピアノをコンサートで弾いた時には、音が抜けないこもった感じの印象で、「このピアノで練習したらきっと腱鞘炎になるな」というレベルで鍵盤のタッチが重かったです。
アコースティックピアノであれば、調整でもだいぶ変わります。一般的に、子供向けの教室のピアノは、先生の配慮でタッチを軽めに調整されているそうです。力を入れないと音が出ない場合は、ピアノの鍵盤の調整が必要かも知れません。タッチが重いと、力が入りすぎることがあります。
電子ピアノではタッチの調整機能がついている機種もあります。また、変な癖がついてしまう可能性があるので、あまりオススメできない方法ですが、「タッチが重いな」と感じた時はほんの少しボリュームを上げてみてはいかがでしょうか。少しの力で音が出るので、力が入りすぎずに弾くことができるので、腱鞘炎になるよりかはましです!
最後に
今回は、手首を痛めないようにする予防法と、痛めてしまった時の対処法を考えていきました。
ピアノを愛するがあまり、たくさん弾きすぎないよう!ピアノの練習も恋愛に似て程々が一番!