目次
はじめに
ギターは弦楽器、フルートは管楽器、ドラムは打楽器。では、ピアノは何楽器かご存知でしょうか?
今回はピアノが何楽器と言われているかについて考えていきたいと思います。
『鍵盤楽器』
ピアノは、ハンマーと呼ばれる鍵盤と連動する部分が弦を叩くことによって音が出る「鍵盤楽器」と呼ばれています。
鍵盤を押すと簡単に音が出ますが、内部構造はとても複雑にできていて、構造の違いによってグランドピアノ・アップライトピアノ、エレクトリックピアノ、電子ピアノに分類されます。
グランドピアノは弦が水平に伸びていて、ごく簡単にいうと響板と呼ばれる音を増幅させる機構によってハンマーで弦を叩いた音が大きくなって出音する構造になっています。長い弦を張った長いピアノの方が響きがよいとされています。
アップライトピアノは響板を鉛直方向に配したコンパクトなピアノです。グランドピアノではハンマーが反動と重力で下に落ちるのに対して、アップライトは前後に動く構造です。コンパクトではありますが、一般的にはグランドピアノに比べると音の響きは劣ります。
エレクトリックピアノは、音響部分に電気回路を加えて音を増幅させるピアノのことです。フェンダーローズなどが有名です。
電子ピアノは、打鍵に合わせて音源を再生するピアノのことです。構造に微妙な差はありますが、最近のほとんどの電子鍵盤はこの機構を採用しています。デジタルピアノとも呼ばれています。
『打弦楽器』とも呼ばれている
上で述べている通り、弦をハンマーで叩いて音が鳴る構造であるため、打楽器と弦楽器の頭文字を組み合わせて「打弦楽器」とも呼ばれます。
弦楽器として
ピアノの中にはおよそ220~230本の弦が張られており、これらの弦をハンマーという部品で叩くことで音を出しています。ということで、ピアノは「弦楽器」と言えるのです。
1つのハンマーに対して何本もの弦が貼られていることは意外と知らない人も多いです(低音では1本)。知っていましたか!?
打楽器として
ハンマーが弦を『叩く』という部分に注目すると、「打楽器」的な要素も持ち合わせています。
ジャズではドラムでスネアやバスドラの合いの手みたいなリズムのことをコンピングと言いますが、ピアノでのバッキングのこともコンピングといいます。このように、打楽器としての考えを持った単語が実際に適用されているのを考えると打楽器と言われることに対しても抵抗がないようにも思いますね。
最後に
ピアノは「楽器の王様」と言われるだけあって、たくさんの工夫が施されていることでいろんな解釈が生まれて「鍵盤楽器」にとどまらず「弦楽器」「打楽器」として分類されることもあるんですね。
ちなみにパイプオルガンなどのオルガン類はピアノと同じ鍵盤楽器ではありますが、パイプから出音される機構から「管楽器」と分類される場合もあります。
今回は、ピアノが何楽器かということについて考えていきました。
ピアノの分類や構造を改めて調べて理解してみることはとても興味深いですし、楽器の特性を知ると自身の演奏にも活かすことができそうですね。