目次
はじめに
ピアノを練習していて、「どうしてもここだけは弾けないなー」という箇所が出てくることがありますね。
そんな時は大抵
- 音、指番号、リズムなどを勘違いしている
- 練習の回数が少なく、記憶が曖昧
このどちらかの場合が多いです。
1つ目の「そもそも勘違いしている」場合がかなりあるので、もう一度楽譜や指の動きを細かく片手ずつ分析していくことが最短ルートです。
どこも勘違いしていなかったら2つ目がおそらく原因です。
そうなると、地獄感のある反復練習を延々と行って記憶を定着させなくてはいけないと考えがちです。なんども同じ練習を延々としたにもかかわらず上達感がないと、つまらなくなって弾かなくなってしまう場合もありますね。
そういう場合は以前少しご紹介した「ご褒美シール」などを自分に与えながら、嫌いにならない自分のペースで続けていくことが良いですね。もちろんシールでなくても、いいです。
練習量が視覚的に増えていくものがいいですね。ある子供向けピアノ教室の先生が言うには、小さなキャラクター人形やおもちゃのプラ宝石などを反復練習ごとに並べてあげるだけでも、格段にモチベーションが上がるらしいです。
しかし、つまらなくなる前に習得するにはやはりスピードもある程度必要ですよね。
今回は、反復練習を効率よくできるヒントについてお話ししていきたいと思います。
脳の記憶を定着させる
指を動かして音を鳴らして演奏することは、脳の運動野と深く関係しています。
反復練習は、運動野でいわば「指を順番に動かす」という運動技能を必死になって記憶する訓練だと考えると良いでしょう。
運動技能を身につけるためには、同じ動作を何度も繰り返すことが大切だと考えられていますが、実は、ちょっとした工夫によって、この習得プロセスを効率化できるみたいです。
つまり、ピアノの反復練習も効率化できるということですね。
“記憶の再統合”
効率化に深く関係しているのが”記憶の再統合”という脳の機能です。
reconsolidation(記憶の再統合)
一度は長期記憶として安定化した記憶が想起されることにより不安定な状態になり、そして再び安定な状態に戻る神経システム
そして、この「記憶の再統合」は運動技能の強化に役立つと考えられています。
詳しい話は抜きにして、具体的な方法は、反復練習に「少し変化を加える」ことだけ。
単に同じ動きを繰り返すよりも短時間でその技術を習得できるということです。
変化をわずかなものにとどめるのがポイントです。
反復練習を工夫
さて、ピアノの話に戻ります!
ある程度、反復練習をしたあとは練習に少々アレンジを加えて脳の「記憶の再統合」を促しましょう。
以下を試してみてください。
- 少し遅く弾いてみる
- 少し速く弾いてみる
えっ、これだけ!?
たったこれだけの工夫で、ただ同じテンポで練習するよりかは脳の記憶が鍛えられます。
同じテンポで練習するよりかは間違える頻度が減っていくのではないでしょうか。
最後に
今日は反復練習の効率化について、記憶のメカニズムを絡めてお話ししていきました。
「少し速く弾く」のはなんとなくわかるのですが、「少し遅く弾く」のも効果があるのは驚きです。
動作に多少の変化を加えながら反復すると、単に同じ動きを繰り返すよりも短時間で技術を習得できる。
不思議ですねー。
ピアノ以外でも、色々と応用ができそうですね!